イノベーション&リノベーションシティをめざすコロラド州デンバー(3) モータリゼーションから公共交通と自転車の街へ変身
デンバーの挑戦は、モータリゼーション社会にも及んでいます。アメリカでの脱モータリゼーションのまちづくりは、オレゴン州ポートランドがよく知られています。ポートランドは、高速道路建設を断念したことをきっかけに、都市の膨張を抑制する政策を立て、公共交通を充実させてきました。これに...
文系自治体職員でもできる!持続可能な地域のつくり方講座 公共施設エネルギー性能の効果は光熱費の削減だけでない(6)
改めて、公共施設のエネルギー性能を向上させることについて、光熱費を削減する5つの効果を整理しましょう。 効果1:公共施設を利用する人々の知的生産性・学習効率の向上 効果2:公共施設の長寿命化 効果3:設備更新費用の抑制 効果4:地域の建築事業者の技術力向上...
老朽化による建替え・改修の公共施設には、パリ協定対応が必須
公共施設も重要なインフラですが、全般的に老朽化が進んでいます。【図表】は、市区町村が保有する公共施設の延床面積の推移で、2020年には約3分の1が築50年、約半分が築40年以上の施設ということになります。 そのため、全国の自治体で現在、多くの公共施設の新築、建替え、改修が進...
インフラの取捨選択には熟議と合意形成が不可欠
インフラの取捨選択は、地域社会を存続させる上で、避けて通れない道です。人口減少に合わせて、維持すべきインフラを減量しなければ、インフラが使えなくなるか、インフラコストに潰れてしまうかのどちらかです。いずれにしても、住民生活と地域経済を圧迫します。...
インフラ整備の経緯と現状を踏まえた取捨選択
人口減少においても、住民生活と地域経済の基盤となるインフラを安価なコストで維持するためには、時間をかけて取捨選択する必要があります。稼働率・効果の低いインフラを廃止し、稼働率・効果の高いインフラに投資を集中していくのです。...
人口は虫食い状態で減少し、インフラ網を蝕む
人口減少は、地図上で見ると、虫食い状態で進行します。過疎地域や人口密度の薄い都市周縁部から徐々に、秩序だって減るのではありません。ランダムに居住者がいなくなり、オフィスがなくなり、工場・商業施設が撤退していくのです。 その理由は様々であるため、自治体が何もせずに整然と進行す...
人口減少でインフラ維持が困難になる
2000年代まで(もしかしたら今でも)、人口増加を前提としたインフラ整備を続けてきたため、維持すべきインフラが膨大な量になっています。既に人口減少となっていますので、一人当たり維持すべきインフラが毎年、増加し続けています。...
人口増加に合わせてインフラを拡大してきた日本
戦後の日本は、【図表】のとおり、人口増加に合わせてインフラ整備を拡大してきました。それは、1950年に制定された国土総合開発法に基づき、具体的なプロジェクトは全国総合開発計画(全総)に則って整備されました。1962年の第一次全総から、1998年の「21世紀の国土のグランドデ...
民需と官需で人手の奪い合い
人口総数の減少と高齢化による労働力の減少が相まって、民間企業での人手不足感は年々、強まっています。図表は、全国の完全失業率と有効求人倍率の推移です。リーマンショック後に5.1%まで高まった失業率は、徐々に低下し、2016年には3.1%まで下がりました。2017年は2%台で推...
国策が地域の人口減少を加速させている
若者の大都市集中を招いている最大の要因は、大学など高等教育機関の大都市集中です。大学や学部の立地は自由でなく、文部科学省の認可事項であるため、政府の方針によって大都市集中になったといえます。図表の都道府県格差は、国策の結果なのです。...