貧困世帯を直撃しやすいエネルギー費用
貧困世帯は、エネルギー費用の負担割合が高くなりやすい構造のなかに置かれています。ここでのエネルギー費用とは、具体的に冷暖房費とガソリン代です。これらが、中所得・高所得の世帯よりも、家計を圧迫しやすいのです。 多くの貧困世帯が居住する民間賃貸住宅の主流は、軽量鉄骨造です。いわ...
貧困脱出の足かせとなっている「実質的な家賃」
貧困からの脱出を目指すとき、最初に行うのは支出を見直すことでしょう。不要不急の支出を削減し、生きるために不可欠な支出や、貧困脱出に必要な支出に回すのです。金銭的な余裕ができれば、時間的な余裕もねん出しやすくなりますので、就職活動や資格の勉強、生活の改善なども行いやすくなりま...
ひとり親・子どもの貧困対策は人口減少の影響緩和に多面的な効果
人口減少の影響を緩和する観点で、貧困対策のなかでも、より多面的な効果を期待できるのが、子どもの貧困対策です。子どもの貧困対策とは、親の所得と、子どもの生育環境や教育環境の関係を切り離す政策です。親が金持ちでも貧乏でもどのような状態でも、すべての子どもに対して、充分な知識や体...
人口減少で重要性を増す貧困対策
急激な人口減少が避けられないなかで、生活や経済への悪影響を緩和するために、貧困対策がさらに重要となります。一見すると、人口減少と貧困対策がどのように結び付くのか、分かりにくいかも知れません。実際、国の地方創生総合戦略は、貧困対策を人口減少対策に位置付けていません。多くの自治...
人手不足を逆手に取る地域づくり
人手不足は、地域の生産力と所得を減少させるため、自治体と地域経済界が直視すべき、重大な課題です。自治体は、不要不急の官需を抑制し、民需から人手を奪うことを最小限にしなければなりません。公的な人材育成の仕組みを早急に整え、転職のハードルを下げる必要もあります。経済界は、経営者...
構造的な差別が地域経済を衰退させる
人手不足は、働くことや社会参加を望む人々を阻害することによっても、助長されています。働くことを望む多くの人々が、地域に潜在しています。ハードルが取り除かれれば、そうした人々が働き始め、人手不足を緩和できます。 阻害されている人々の典型は、子どものいる女性です。主要国における...
国際比較でも労働生産性が低い日本
労働生産性の低さは、日本全体に共通する課題です。政府は「働き方」の問題と位置付けて改善を図っていますが、裏を返せば「経営」の問題です。経営者が、ビジネスモデルと業務効率の改善に長けていないため、従業者の「働き方」が悪いのです。従業者は「働き方」や「業務の量と質」を自由に決め...
サービス産業の労働生産性
前回の政策ブログ「雇用のミスマッチとトレーニング」では、職業訓練への公的支援の薄さが人手不足を助長していることを解説しました。その背景には、職業能力の修得を自己責任原則としている社会の問題があります。 一方、「サービスの職業」や「運搬・清掃等の職業」におけるミスマッチは、背...
雇用のミスマッチとトレーニング
民需での人手不足は、企業へのアンケートでも明らかになっています。長野県の調査(8頁図2-4)で、計画どおりに従業員を採用できなかった企業に対してその理由を尋ねたところ、7割を超える企業が「充分な人数の応募がなかった」と回答しました。そもそも応募数が足りないというのは、人手の...
民需と官需で人手の奪い合い
人口総数の減少と高齢化による労働力の減少が相まって、民間企業での人手不足感は年々、強まっています。図表は、全国の完全失業率と有効求人倍率の推移です。リーマンショック後に5.1%まで高まった失業率は、徐々に低下し、2016年には3.1%まで下がりました。2017年は2%台で推...